イム様の正体を解き明かす最大の転換点となったのは、カマバッカ王国で革命軍のエンポリオ・イワンコフが提示した仮説です。イワンコフは古い文献を根拠に、800年前に世界政府を樹立した「最初の20人」の中に「ネロナ家のイム聖」という名の王が存在していた事実を指摘しました。
世界政府の教義において、マリージョアの「虚の玉座」は何人も座ってはならない平等の象徴とされてきました。しかし、その玉座に当たり前のように腰掛け、世界最高権力である五老星を顎で使う存在こそがイム様です。作中における歴史の整合性を照らし合わせても、800年前の創設者本人がそのまま現代に君臨していると考えるのが極めて自然な論理展開といえます。
さらに、サボが目撃したパンゲア城「花の部屋」での振る舞いや、コブラ王との対峙で見せた冷徹な態度は、数百年単位で世界を管理・間引きしてきた超越者のそれでした。天竜人の頂点に立つ王族の血統でありながら、その名を歴史から消し去り、陰から世界を操る黒幕の輪郭は「ネロナ・イム聖」という名によって決定的な現実味を帯びています。