鈴木亮平という俳優のキャリアを語るうえで、2014年から2015年にかけての肉体改造劇は外せません。映画『俺物語!!』のオファーを受けた当時、彼はTBS日曜劇場『天皇の料理番』で病魔に侵されていく主人公の兄・秋山周太郎役を演じるため、通常76kg前後あった体重を56kgまで20kg減量させていました。骨と皮ばかりになった痛々しい姿は、視聴者に強烈な衝撃を与えたばかりでした。
しかし、『天皇の料理番』のクランクアップから『俺物語!!』の撮影開始までに残された期間は、およそ40日足らず。原作の剛田猛男は、柔道部に所属する巨漢の高校1年生です。鈴木亮平は、飢餓状態に近かった身体から一転して30kgの体重増量を断行し、86kgを突破する肉体を作り上げました。当時の取材会見で本人は「炭水化物を寝る直前まで胃袋に流し込む日々だった」と振り返っています。
この短期間での急激なバルクアップを支えたのが、専属トレーナーの指導のもとで構築された驚異的な肉体改造の食事メニューでした。代謝が落ちていた身体に急激に栄養を送り込むため、1日の目標摂取カロリーを一般的な成人男性の倍以上に設定。主食である白米を小分けにして持ち歩き、常に満腹状態を維持する手法が取られました。
- 主食の大量摂取:1日あたり6〜8食に分け、白米やオートミールを常時補給。
- 高タンパク源の確保:蒸し鶏の胸肉、赤身肉、卵白を中心に、プロテインを1日数回摂取。
- 夜間・就寝直前の高カロリー補給:就寝中も血中アミノ酸濃度と糖質を切らさないため、深夜に起きて炭水化物や特製シェイクを摂取。
- 徹底した水分・塩分コントロール:むくみを出さずに筋肉の張りを最大化する調整。
単に脂肪をつけるだけであればジャンクフードの暴食でも可能ですが、剛田猛男の肉体は「高校生離れした怪力を持つスポーツマン」でなければなりません。鈴木亮平は高強度なウエイトトレーニングを並行して行い、ベンチプレスやスクワットで筋繊維を破壊しながらタンパク質を流し込み、分厚い筋肉の鎧をまとうことに成功したのです。