長年にわたり公共放送を支えてきた根幹が、放送法第64条に基づく受信料徴収システムだ。受信設備の設置者に契約義務を課すこの規定は、テレビが家庭の中心にあった時代には疑いようのない前提だった。しかし、配信サービスの普及と若年層のテレビ離れが決定打となり、その正当性は大きく揺らいでいる。
管轄する総務省も、急速に進むデジタルシフトを前に制度の見直しを迫られている。インターネットによる同時配信が本格化する中、何を以て「公共の対価」とするのか。徴収制度の形骸化が指摘される中、かつて一部のアクティビストによる主張に過ぎなかった法改正論は、いまや政策担当者の机上に上る現実的な課題となっている。