なぜ校庭から像が姿を消したのか。最大の要因として挙げられるのは、昭和初期から中期にかけて寄贈された石像や銅像の深刻な老朽化だ。各地の小学校で校舎の耐震改修や統廃合が進むなか、震災時の倒壊リスクが問題視された。多くの学校では安全確保を最優先とし、修繕費用を捻出できないまま撤去を選択するケースが相次いだのだ。
さらに見逃せないのが、PTAや保護者から寄せられた異色の意見である。「本を読みながら歩く姿は交通安全上、教育的によろしくない」「歩きスマホの肯定につながるのではないか」という指摘が、2000年代以降急速に広がった。こうした声を受け、撤去や倉庫への収蔵を余儀なくされたケースも少なくない。しかし、これは金次郎の本質を誤解した表面的な議論に過ぎないと懸念する声も根強く存在する。