なぜ孫正義という男は、どれほどの成功を収めても暴走に近い情熱を燃やし続けるのか。その答えは、やはり「国籍」や「ルーツ」を巡る彼の原体験に辿り着く。幼少期に味わった孤立感やアウトサイダーとしての意識は、彼の中に「国家という枠組みを超えた世界観」を芽生えさせた。
日本の伝統的な企業経営者が国内市場やリスク回避を最優先するのに対し、孫氏は最初から地球全体を盤面として捉えてきた。自らのアイデンティティを自ら選び取り、日本国籍を取得した歴史は、彼にとって「自らの運命は自ら切り拓く」という強い意志の証でもある。差別や壁を乗り越えてきたハングリー精神こそが、彼を世界のトッププレイヤーたらしめるエンジンなのだ。