番組の歴史を語る上で欠かせないのが、視聴者の心に深い爪痕を残した隠れた神曲の存在である。なかでも大貫妙子が作詞・作曲・歌唱を手掛けた1984年放送の『メトロポリタン美術館』は、今なお語り継がれる伝説的一曲だ。美しくも哀愁を帯びたワルツの旋律と、大人が聴いても引き込まれるミステリアスなストーリー展開は、当時の子どもたちを激しく魅了した。
タイムトラベルや展示物との遭遇、そして主人公が絵の中に閉じ込められてしまうという衝撃的な結末は、子ども心に少なからずの恐怖と強烈なインスピレーションを焼き付けた。単に明るく楽しいだけではない、人間の深い感情やダークファンタジーの要素を恐れずに提示する姿勢こそが、幾多の名曲を誕生させた源泉と言える。