イチゴの花が咲かない・黒い原因は?甘い実を育てる受粉と栽培の極意

イチゴの花が咲かない・黒い原因は?甘い実を育てる受粉と栽培の極意

イチゴの花が咲かない・黒い原因は?甘い実を育てる受粉と栽培の極意について重要なポイントを解説いたします。最新の情報をお届けします。

イチゴの果実は、植物学的には「花托(かたく)」と呼ばれる茎の先端部分が肥大した偽果です。表面にある無数のツブツブ(そう果)の種子一つひとつから植物ホルモン(オーキシン)が分泌されることで花托が均等に膨らみます。つまり、受粉が一部に偏ると、受精しなかった箇所の肥大が止まり、歪な形の奇形果(先止まり果・乱形果)になってしまいます。

自然界ではミツバチなどの訪花昆虫や風が受粉を媒介しますが、ベランダ環境や害虫よけネット内では昆虫が不足しがちです。確実な結実を促すため、人手による人工受粉を取り入れるのが鉄則です。

失敗しない受粉|筆の使い方と最適な時間帯

人工受粉に使用する道具は、毛先の柔らかい水彩画用筆(丸筆6〜8号)や化粧筆、柔らかい筆ペン、綿棒が最適です。硬いブラシを使うとデリケートな雌しべ組織を傷つけ、かえって黒変や奇形果を誘発します。

  • 作業タイミング:花粉の稔性が最も高い晴天日の午前中(9時〜11時頃)がベスト。開花直後から開花後2〜3日目までの新鮮な花に行います。
  • 筆の動かし方:筆の先で花の外側にある黄色い雄しべを優しくなぞり、花粉を筆先に付着させます。その後、中央の黄緑色の雌しべ群全体に対して、外側から中心に向かって円を描くように「の」の字を書く感覚で優しく万遍なく撫でていきます。
  • 注意点:力を入れすぎず、羽毛で肌を撫でるようなタッチを徹底してください。花粉がしっかり散布されると、数日後に花びらが自然にハラハラと落下し、中心部が黄緑色からツヤのある緑色へと肥大を始めます。

果実を大粒化させる摘花・摘果の極意

イチゴは1つの花房(花軸)に10〜15個以上の花を次々と咲かせます。しかし、すべての花を結実させると株の栄養が分散し、小粒で酸っぱい実ばかりになってしまいます。

そこで必須となるのが「摘花(てきか)」と「摘果(てきか)」です。花房の基部に咲く最初の大輪花(第1番花・第2番花)は細胞数が多く、立派な大粒イチゴに育ちます。一方で、花房の先端に遅れて咲く小さな花は元々果実が大きくならない素質を持っています。1花房あたり大粒狙いなら4〜5個、標準でも6〜7個程度に絞り込み、後から出てきた貧弱な蕾や小さな花、受粉に失敗して歪んだ幼果はハサミで根元から躊躇なく間引くことが、糖度とサイズの向上に直結します。

吉田 誠
著者

吉田 誠

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