本作の真価は、物語の中盤以降に明かされる「隠された真実」にある。原題『アイ・キャン・スピーク』の言葉通り、オクブンが頑なに英語を習得しようとした本当の理由。それは、かつて自らが受けた未曾有の苦難を、米連邦議会の公聴会で直接英語で証言するためだった。彼女は元慰安婦であり、声なき被害者たちの叫びを世界に届ける誓いを立てていたのだ。
この重厚なテーマを、作品は説教臭く提示しない。笑いで観客の警戒心を解き、キャラクターへの深い愛着を育んだうえで、真実を真っ直ぐに突きつける。悲劇を単なる消費物として扱うのではなく、一人の人間が尊厳を取り戻す戦いとして描き切る手腕は圧巻だ。