毎年12月下旬、YouTubeや公式SNSで公開される動画一本で数千万単位の再生回数を叩き出す「世界で最も美しい顔100人(The 100 Most Beautiful Faces)」。国連や学術機関、あるいは大手映画アカデミーのような国際組織が関与していると誤解されがちですが、実態は全く異なります。このプロジェクトを立ち上げ、現在も主宰しているのは、イギリス生まれアメリカ在住の男性映画評論家を自称するTC・キャンドラー(TC Candler)氏です。
始まりは1990年。当時まだ普及の初期段階にあったインターネット上で、TC Candler氏が個人的な映画評論ブログの余興として「自分が美しいと感じた女性100人」のリストを作成・公開したのがすべての発端でした。当初は純粋な個人の映画愛好サイトの一企画に過ぎませんでしたが、YouTubeの台頭とともに動画形式で視覚的にタレントの顔写真と順位を紹介するスタイルを確立。これがアジア圏を中心に爆発的なバイラル拡散を引き起こしました。
公式サイト上では、選考について「The Independent Critics(独立批評家グループ)」と呼ばれる世界各国のアドバイザーたちが何万もの候補者から選定していると謳われています。しかし、この「独立批評家グループ」の具体的な構成メンバーや選考委員会の名簿、選考プロセスの議事録などは一切公開されていません。公表されている選考基準についても、「審美的な完成度だけでなく、優雅さ、独自性、大胆さ、情熱などを総合的に考慮している」と情緒的な表現に留まっており、数値化された客観的スコアが存在するわけではないのです。