「まさか靴擦れの小さな水ぶくれが、足を失う瀬戸際まで悪化するとは思ってもみなかった」――。
救肢センターに緊急搬送された70代男性の手記には、CLI特有の恐ろしい進行過程が生々しく記されています。男性は長年糖尿病を患っており、足の末梢神経障害によって痛みを感じにくい状態でした。靴擦れから生じた傷に市販の軟膏を塗り続けていたものの、わずか2週間で傷口が黒く変色し、異臭を放つ足壊疽へと急激に悪化しました。
CLIの進行過程には、明確な警戒ステージが存在します。
- 第1段階:冷感・しびれ(足先が常に冷たく、触れると左右で温度差がある)
- 第2段階:間欠性跛行(一定距離を歩くとふくらはぎや太ももが締め付けられるように痛み、休むと回復する)
- 第3段階:安静時疼痛(歩いていなくても、夜間に足先がジンジンと激しく痛み、眠れなくなる)
- 第4段階:難治性潰瘍・壊疽(小さな傷が何週間も塞がらず、皮膚組織が黒変・脱落する)
特に重要な自覚症状が安静時疼痛です。足を下ろすと重力でわずかに血流が流れるため、「夜中にベッドから足を投げ出して座ると痛みが和らぐ」と訴える患者が多く見られます。この兆候が現れた段階で、すでに血流は限界に達しており、一刻を争う精査が必要です。