食堂もり川の歴史は、明治34年に仕出し弁当屋として創業したことに端を発します。東京大学本郷キャンパス周辺は、近代日本の学術と文化の中心地として発展してきましたが、もり川はその黎明期から学生や教職員に食事を提供し続けてきました。店舗が掲げる「東大生と共に明治から」というフレーズは単なる宣伝文句ではなく、世紀を跨いで受け継がれてきた共生の実績そのものです。
かつて文豪や幾多のノーベル賞学者、政官財のリーダーたちが若き日に通い詰めた空間は、幾度かの改装を経ながらも、どこか懐かしく温もりのある大衆食堂の佇まいを今に残しています。単なる飲食店にとどまらず、本郷という街の記憶と学問の熱気を吸い込んできた生きた文化遺産としての側面も持ち合わせています。