破傷風の大きな特徴は、受傷してから症状が現れるまでに時間差がある点です。破傷風の潜伏期間は通常3日〜3週間程度(平均して7〜8日)とされています。一般的に、傷口の汚染度がひどく菌量が多い場合や、受傷部位が中枢神経に近い頭部や顔面であるほど潜伏期間は短くなり、重症化しやすい傾向が確認されています。
病態の進行は医学的に第1期から第4期に分類され、見逃してはならない初期症状は以下のような段階を経て悪化していきます。
最も特徴的な破傷風の初期症状は、顎の筋肉(咬筋)が硬直して食事が噛みにくくなったり、うまく口が開かなくなったりする破傷風特有の開口障害です。「歯の治療のせいか」「首を寝違えたか」と誤認して歯科や整形外科を受診し、診断が遅れるケースが後を絶ちません。少しでも傷を負った記憶があり、顎や顔面に違和感を覚えた場合は、感染症科や救急救命センターへの連絡が急務です。