動物病院の臨床現場や飼い主コミュニティの症例報告を検証すると、病気が発覚する直前、猫たちは日常生活の中で特有の「違和感のある仕草」を見せています。
まず挙げられるのが、猫の水の飲み方がおかしいという観察事実です。「水皿の前に座り込んだまま長時間ぼんやりしている」「器の縁に顔を近づけたままピチャピチャと力なく舐め続ける」「お風呂場や洗面所の蛇口から直接流れる水を執拗に要求する」といった行動変化は、強烈な口渇感や体調不良を抱えているサインです。
さらに見逃せないのが排泄環境の変化です。猫が水をたくさん飲むとトイレの回数や1回あたりの尿量が劇的に増加します。システムトイレのペットシーツが一面びしょ濡れになる、鉱物系猫砂の固まりがソフトボールほどの巨大な塊になる、尿の色が普段の黄金色から水のように無色透明に近づくといった現象は、腎臓の濃縮機能破綻を如実に物語っています。
また、猫の水飲みすぎと嘔吐がセットで起きるケースにも警戒が必要です。激しい口渇感に耐えかねて一度に大量の水を胃袋に流し込んだ結果、胃が急激に拡張されて迷走神経が刺激され、飲んだ直後に水や胃液を吐き戻してしまう事例が多発しています。水分の逆流が繰り返されると食道炎を併発し、さらなる脱水悪化を招く危険な連鎖に陥ります。