ここ数年、SNSや動画プラットフォームを中心に「うつ病やパニック障害、慢性疲労の真の原因はすべて低血糖症である」と断定する極端な言説が拡散し、医療従事者との間で大きな議論や炎上を引き起こしました。
この騒動の経緯を紐解くと、糖質制限ブームやオーソモレキュラー(分子栄養学)の一部インフルエンサーが、「砂糖を完全に断てば精神疾患が完治する」「病院の精神科に行くな、血糖値を測れ」と過激な発信を繰り返したことが発端です。これに対し、日本内分泌学会や精神神経学会の専門医から「医学的根拠を逸脱した危険な煽動であり、適切な精神科治療の機会を奪う」と強い警告が発せられました。
噂の真相を検証すると、確かに急激な血糖値の乱高下がセロトニンやアドレナリンの分泌を乱し、情緒不安定やイライラを誘発することは生理学的に事実です。しかし、「すべてのメンタル不調が低血糖症で説明できる」というのは明確な誤謬です。特定の高額なサプリメントや自費診療の検査へ誘導するビジネスモデルも絡んでおり、情報の発信元と科学的裏付けを冷静に見極めるリテラシーが求められます。