シニアコミュニティや現場の相談窓口で頻繁に交わされるのが、「65歳以上の失業保険は何回ももらえる」という噂の真偽です。これについてハローワークの実務および労働局の運用データに照らし合わせると、「制度要件を満たす限り、何回でも受給可能」というのが法的な事実です。
通常の基本手当(65歳未満)の場合、給付を受け取るとそれまでの被保険者期間が完全にゼロ(リセット)となり、次に受給するためには原則1年以上の加入が必要となります。しかし高年齢求職者給付金は、受給後に再就職先(週20時間以上かつ31日以上雇用の雇用保険適用事業所)で「通算6か月以上」被保険者として働けば、その職場を離職した際に再び高年齢求職者給付金(30日分または50日分)を申請する権利が発生します。
例えば、65歳で正社員を退職して一時金を受給した後、別の企業で1年間の有期パート契約を結び、契約満了で退職した場合、再び満額の一時金が受給できます。これを数年間にわたり繰り返すシニア労働者も実際に存在します。
ただし、注意すべきは「自己都合退職時の給付制限」です。定年退職や契約期間満了による離職は「特定理由離職者」等に該当し、7日間の待期期間終了後すぐに支給されますが、一身上の都合による自己都合退職の場合は、待期期間に加えて原則1か月〜2か月の給付制限期間が課されます。2026年時点の運用では、離職後すぐに求職手続きを行っても受給までに約2か月のタイムラグが発生するため、生活資金繰りには十分な余裕を持つ必要があります。