金価格の急騰を一言で説明するなら、「複数の上昇要因が同時に重なった」ことが本質だ。単一の材料ではなく、地政学リスク・中央銀行の金購入・金ETFへの資金流入・ドル円相場という4つのエンジンが同時に回り始めた。
第一に、地政学リスクの深刻化だ。2026年時点で、欧州・中東・東アジアの緊張は断続的に継続。株式や債券だけで資産を構成するリスクが意識され、資金が金に逃避する「安全資産需要」が高止まりしている。
第二に、中央銀行による金購入の構造的継続だ。報道各社や国際金融協会の集計によると、中国・インド・トルコ・ロシアなど新興国を中心とした中央銀行は、外貨準備の分散先として金を買い続けている。特に中国の人民銀行は2026年以降、断続的に保有量を増やしており、これが国際需給を逼迫させている。
第三に、金ETFへの資金流入が個人・機関投資家の金投資へのアクセスを容易にし、価格上昇の裾野を広げている。金ETFは保管リスクを負わずに金価格へ連動できるため、2026年に入り国内外で純流入が加速。価格と資金流入が相互に強化し合う「強気相場のフィードバックループ」が形成されている。