インターネット上の言説やSNSの投稿において、本作はしばしば「山口百恵の原曲を鬼束ちひろがカバーした楽曲」と単純化されて語られがちです。しかし、この認識には決定的な事実誤認が含まれています。
本作は既存曲の歌い直しではなく、原作者である谷村新司自身が歌詞を書き改め、JR西日本のタイアップに合わせて制作された「正統な公式リメイク・アンサーソング」です。タイトルに「・西へ」と付けられているのも、独立したひとつの作品であることを明確に示す証拠といえます。
また、新幹線チャイムに関する誤解も見受けられます。JR西日本管内の山陽新幹線(新大阪〜博多間)や北陸新幹線の一部区間において、長年にわたり車内チャイム(入線・案内放送前のメロディ)として使用されたのは、まさにこの『いい日旅立ち・西へ』のメロディです(※JR東海保有車両の『AMBITIOUS JAPAN!』や後継チャイムとの対比として有名)。列車旅の情緒を決定づける音響装置として、乗客の記憶に深く刻み込まれていきました。