天文学や宇宙に関する情報がSNS等で拡散される中、月と太陽に関してはいくつかの根強い誤解や都市伝説が存在します。取材と科学的知見に基づき、その実態を是正します。
誤解1:「月はずっと現在の距離のまま地球を回り続けている」
アポロ計画で月面に設置されたレーザー反射鏡を用いた精密測定により、月は現在でも年間約3.8cmのペースで地球から遠ざかっていることが実証されています。潮汐摩擦によって地球の自転エネルギーが月の軌道エネルギーへと移行しているためです。これにより、約6億年〜10億年後の地球では月が遠くなりすぎ、見かけのサイズが小さくなるため、皆既日食は二度と見られなくなり金環日食のみになると計算されています。
誤解2:「月面に着陸した探査機から見ると太陽は赤く燃えている」
大気が存在しない月面では、光のレイリー散乱が起きません。そのため、太陽の光は波長ごとに散乱されることなく網膜に届き、完全な漆黒の宇宙空間の中に眩い純白の恒星として観測されます。夕焼けや朝焼けのような赤色は、地球の大気があって初めて生じる光学的現象です。