フィットネス現場やSNSのコミュニティ、競技選手のインタビューから聞こえてくる声には、数字のデータだけでは見えない生々しい現実があります。
都内大手24時間ジムで10年以上の指導歴を持つパーソナルトレーナーは、次のように証言します。「ネット上では『100kgは誰でも半年でいける』といった極端な意見が散見されますが、現場でフォームを崩さず胸までバーを下ろして100kgを挙げられる一般会員は、全体の3〜4%程度です。多くの人がバウンド挙上や極端なケツ上げ(ベンチから臀部が浮く状態)で自称MAXを語っており、それが深刻な肩のインピンジメントや手首の靭帯損傷を引き起こしています」
また、日本パワーリフティング選手権でメダルを獲得したトップ選手の手記や取材インタビューでも、体重比を伸ばす過程の苦悩が赤裸々に語られています。
「体重を増やせば絶対重量は伸びるが、階級制の競技では体重比が落ちれば勝てない。増量による出力アップと、減量時の筋力維持という相反する課題に直面したとき、小手先の根性論は一切通用しなくなる」という言葉は、競技者のシビアな現実を物語っています。
SNSや筋トレ掲示板の投稿ログを分析しても、自重の1.2倍(70kgの人が約85kg)付近で数ヶ月から数年にわたって記録がストップし、モチベーションの低下や怪我に悩むユーザーの書き込みが圧倒的多数を占めています。自重の壁を越えた先には、誰もがぶつかる「停滞期のトラップ」が待ち受けているのが現場の真実です。