色彩学の基礎において、青は光の三原色(RGB)のひとつであり、色料の三原色(CMYK)におけるシアン(藍料)をベースとした広大な色域を指します。それでは、人間が名前を付けて識別してきた青の種類は一体いくつ存在するのでしょうか。
一般社団法人日本流行色協会(JAFCA)や文化庁の伝統色彩資料によると、有史以来日本語として定着した伝統色青の和名一覧だけでも45種類以上が公式に記録されています。さらに、JIS規格(JIS Z 8102)で規定されている「物体色の慣用色名」に収載された青系統の慣用色名は、和名・洋名合わせて約40色にのぼります。これに、デジタル環境で指定される16進数カラーコードの組み合わせを含めると、私たちが視認可能な青のバリエーションは理論上数万通り以上に細分化されます。
古来、日本人は露草(つゆくさ)や藍(あい)、鉱物の藍銅鉱(アズライト)など、自然界の物質から色を抽出し、その微細な濃度変化や光の反射に対して固有の雅名を授けてきました。一方、西洋ではラピスラズリから抽出されたウルトラマリンや、コバルト鉱石から生まれた鮮烈な発色が科学技術とともに発展しました。これらの青系統の名前一覧を整理することは、単なる色見本帳の確認にとどまらず、人類が光と自然をどのように捉えてきたかという文化史を辿る行為に他なりません。