主役として1年間戦隊ヒーローを務め上げたにもかかわらず、なぜ世間では「仮面ライダー出身」と誤認されやすいのでしょうか。当時の現場状況やメディア報道を精査すると、4つの明確な理由が浮き彫りになります。
1. 同期・菅田将暉との「トップコート黄金期」と『仮面ライダーW』
最大の要因は、同じ芸能事務所トップコートに所属する後輩であり盟友でもある菅田将暉の存在です。菅田将暉は松坂桃李のデビューと同じ2009年秋に放送を開始した『仮面ライダーW(ダブル)』のフィリップ役で俳優デビューを飾りました。
事務所の若手2人が同時期に「ニチアサ(日曜朝の東映特撮枠)」でそれぞれ赤の戦隊リーダーと仮面ライダーとしてデビューし、その後共に日本アカデミー賞俳優へと急成長を遂げたため、一般層の記憶の中で2人の特撮キャリアが混ざり合い、「松坂桃李も仮面ライダーだったのではないか」という認知の歪みが生じました。
2. メディアによる「イケメン若手俳優=仮面ライダー出身」というバイアス
2000年代以降のエンタメ業界では、オダギリジョー(クウガ)、佐藤健(電王)、福士蒼汰(フォーゼ)、竹内涼真(ドライブ)など仮面ライダー出身者が次々とブレイクし、ワイドショーや女性誌が「ブレイク俳優の登竜門=仮面ライダー」と一括りに報道するケースが頻発しました。その結果、スーパー戦隊出身の松坂桃李や千葉雄大、山田裕貴といった実力派俳優までもが、世間の大雑把な「特撮イケメン枠=ライダー」のイメージに吸い寄せられる形となったのです。
3. 『仮面ライダーディケイド』第24話・25話での歴史的コラボ出演
実は、松坂桃李は公式に仮面ライダーのTVシリーズ本編に出演した実績が存在します。2009年7月に放送された『仮面ライダーディケイド』の第24話「見参侍戦隊」および第25話「外道ライダー、参る!」において、仮面ライダーとスーパー戦隊の垣根を越えた史上初の公式クロスオーバーが実現しました。
志葉丈瑠として仮面ライダーの世界に登場し、ディケイド(門矢士)と共闘したため、東映公式の「仮面ライダー図鑑」にも志葉丈瑠/シンケンレッドとして正式にプロフィールが掲載されています。「ディケイドの画面で変身していた松坂桃李」を断片的に記憶している視聴者が、彼を仮面ライダー俳優と記憶していても無理はありません。
4. 映画『シン・仮面ライダー』(2026年)へのサプライズ出演
庵野秀明監督が手掛けた2026年公開の映画『シン・仮面ライダー』において、松坂桃李は人工知能ロボット「K(ケイ)」の声を担当しました。エンドロールや追告映像で「松坂桃李」の名が大々的にクレジットされたことで、「松坂桃李が仮面ライダー映画に出演している」というニュースが拡散し、過去の特撮歴と結びついて誤解が再燃する契機となりました。