インゴット投資をめぐっては、ネット上で根拠の薄い情報や誤解が広まっています。代表的な2つの盲点を検証し、正しい事実を整理します。
誤解1:「金は匿名で売買でき、税務署には絶対にバレない」
これは明らかな誤りです。前述の通り、古物営業法および所得税法第225条に基づき、1回の売却金額が200万円を超える場合、買取業者は顧客の氏名・住所・マイナンバー・取引内容を記載した「支払調書」を税務署に提出しなければなりません。また、200万円以下の取引であっても買取業者の帳簿には取引記録が長期間保存され、税務調査が入れば資金の流れは完全に捕捉されます。脱税を狙った小分け売却の強要や無申告は、後から重加算税や延滞税が課される極めて危険な行為です。
誤解2:「金は変色・劣化しないからどんな状態でも満額で売れる」
純金そのものは化学的に極めて安定しており、錆びたり腐食したりすることはありません。しかし、インゴットの表面に深い傷やへこみがあったり、削り取られた痕跡があったりすると、買取店側で「規格外品(つぶし品)」として扱われる場合があります。つぶし品判定を受けると、再精錬(リファイン)費用が差し引かれ、グッドデリバリーバーとしてのプレミアム価格がつかなくなる点に留意が必要です。