香川県三豊市詫間町の荘内半島北西部に位置するフラワーパーク浦島は、もともと地元の花卉(かき)農家や地域住民が丹精込めて育ててきた遊休農地を活用した花畑でした。三豊市は日本有数のマーガレット生産地として知られ、5月前後の出荷最盛期には一面の花が咲き乱れます。この牧歌的な風景がメディアやSNSで「瀬戸内海の隠れた桃源郷」として紹介されたことで、来訪者の数は急激に跳ね上がりました。
急増した観光客は、静かな農漁村に予想を超える混乱をもたらしました。現地に至る県道および市道は幅員が極めて狭く、普通車同士のすれ違いすら困難な箇所が連続しています。報道各社の取材や地元自治会の記録によると、最盛期には数キロメートルに及ぶ大渋滞が発生し、地元住民が買い物や通院のために自宅から車を出すことすらできない事態が頻発しました。さらに、救急車や消防車などの緊急車両が進入できない危険性が現実化したことで、地域住民の生命と安全が脅かされる臨界点に達したのです。
三豊市観光交流局および地元関係者は、花畑の閉鎖という最悪のシナリオを回避するため、ピーク時のマイカー乗り入れ規制とオンライン事前予約システムの導入に踏み切りました。2026年現在も、春のマーガレット開花ピーク期間(例年4月下旬から5月中旬の約3週間)は、予約車両以外の一般車両進入が厳格に禁止されています。「予約が取れない」という声が相次ぐ背景には、駐車スペースの物理的限界だけでなく、道路容量と地元住民の生活環境を保護するための「厳格な総量規制」が存在しています。