主催元である一般社団法人東京国際芸術協会に対して、出場者の保護者や指導者はどのような印象を抱いているのか。指導現場や保護者コミュニティから集まる生の声を精査すると、明確なメリットと留意すべき課題の両面が浮かび上がります。
圧倒的に支持されているのが、一流の審査員陣による直筆講評の質の高さです。審査員席には、東京藝術大学、桐朋学園大学、国立音楽大学などの教授・名誉教授陣や、第一線で活躍するプロの演奏家が名を連ねます。講評用紙には、単なる点数だけでなく「左手のアーティキュレーションの改善点」「ペダリングによる響きの濁り」「フレーズの呼吸法」といった具体的な改善案が細部までびっしりと書き込まれています。
ある指導者は「予選でいただいた講評をもとに指の脱力を見直し、本選までに劇的に演奏が化けた生徒がいる。大手コンクールの記号化された評価シートよりも、はるかに教育的な価値が高い」と証言します。コンクールを「他者を蹴落とす場」ではなく「一流教授陣による公開レッスン」として捉える層にとって、これ以上の学習機会はありません。
一方で、留意点として挙げられるのが運営進行の合理化に伴うドライな雰囲気です。全国各地で過密なスケジュールを消化するため、一人あたりの演奏時間がタイマーで厳格に管理され、曲の途中でベルが鳴って演奏を打ち切られるケースが頻発します。「せっかく最後まで練習したのに途中で切られて子どもが悔しがった」という声も聞かれますが、これは審査の公平性とタイムキーピングを両立させるための措置であり、事前の割り切りが必要です。