実際にナンバーに参加したダンサーたちのダンスナンバー 評判を検証すると、熱狂的な達成感と、過酷な現実による疲弊という二面性がはっきりと浮かび上がります。
SNSやネット掲示板、現役ダンサーの手記から集まる好意的な声として最も多いのは、「短期間での爆発的なスキルアップ」と「かけがえのないコミュニティの獲得」です。プロとして第一線で活躍するコレオグラファーから直接、身体の使い方や表現の細部、ステージ上での魅せ方を徹底指導される経験は、通常の週1回のレッスンでは到底得られません。また、過酷なリハーサルを共に乗り越えた仲間とは強い連帯感が生まれ、生涯の友人ができるケースも多々あります。
しかしその一方で、コミュニティの陰にはリアルな悲鳴が渦巻いています。都内のダンススタジオに長年通う20代女性の手記には、次のような生々しい告白が綴られています。
「憧れの先生のナンバーに合格した時は天にも昇る気持ちでした。でも始まったのは終電後の『深夜練』の連続。平日深夜24時から翌朝5時までスタジオに缶詰にされ、仮眠も取れずにそのまま仕事へ向かう日々が2か月続きました。体調を崩しても『代わりはいないから休むな』という同調圧力があり、精神的に追い詰められました。さらにチケットが3枚しか売れず、残りの6枚(約3万円分)は自腹。本番の数分間の快感のために、家賃1か月分近い出費とボロボロの身体が残りました」
練習期間は通常2〜3か月に及びます。社会人や学生が参加する場合、深夜帯のリハーサルが常態化しているナンバーでは睡眠不足による学業や本業への支障が深刻化します。また、作品内で誰が前列で踊るか、誰にソロパートが与えられるかといった「立ち位置問題」を巡り、振付師のお気に入りメンバーに対する贔屓(ひいき)が可視化されることで、チーム内に冷え切った空気が流れることも珍しくありません。