ネット上の簡易的な医療情報や口コミを鵜呑みにすることで生じる、致命的な誤解がいくつか存在します。代表的な3つの盲点を暴きます。
誤解1:下腹部の真ん中が痛いから、市販薬で膀胱炎を散らせば大丈夫?
排尿時の違和感とともに下腹部中央が痛むと、多くの人が急性膀胱炎を疑います。確かに膀胱炎の頻度は高いものの、頻尿や残尿感を伴う下腹部痛の裏に、子宮筋腫が隠れているケースは珍しくありません。大きくなった子宮筋腫がすぐ前にある膀胱を物理的に圧迫し、膀胱炎に酷似した症状を引き起こすためです。抗生剤を飲んでもすっきり改善しない場合、問題は泌尿器ではなく子宮そのものにある可能性が高いと言えます。
誤解2:「胃が痛い」と感じるから胃腸科を受診すれば十分?
「みぞおちがキリキリ痛む」と訴えて胃腸科を受診し、胃カメラを受けても異常なしと言われる女性がいます。実は、肝臓と胆嚢の場所である右上腹部からみぞおちにかけて生じる疝痛(周期的な激痛)は、胆石症の典型症状です。特に女性ホルモンであるエストロゲンは胆汁中のコレステロール濃度を高める作用があるため、30〜40代の女性は胆石症の発症リスクが高くなります。「油っこい食事の数時間後にみぞおちが激しく痛む」という場合、胃ではなく胆嚢を疑うのが医学的な定石です。
誤解3:生理の時期じゃないから婦人科の病気ではない?
「生理痛ではないから内科へ行く」という判断も危険な落とし穴です。排卵期に生じる排卵痛や卵胞の破裂に伴う腹腔内出血、あるいは慢性化した骨盤腹膜炎などは、月経期とは全く関係のないタイミングで発生します。生理中かどうかだけで婦人科疾患を除外することは、人体構造上不可能です。