2019年の退団以降、コウカズヤが直面した現実は厳しいものでした。演劇関係者の間では「劇場のスポンサーや出演者の所属事務所がリスクを嫌い、コウカズヤの名前をクレジットできない空気が完全に出来上がっていた」と語られています。劇団主宰という看板と収入源を同時に失った彼は、家族を養うために即効性のある現金収入を求めざるを得ませんでした。
週刊誌各社が目撃したのは、スーツ姿で自転車に乗り、都内の住宅街を巡る彼の姿でした。従事していたのはソーラーパネル(太陽光発電設備)やエコキュートの訪問販売です。この業態は完全な実力主義であり、固定給20万〜25万円程度に加えて契約件数に応じたインセンティブが上乗せされる仕組みが一般的です。一時はフードデリバリーの配達バッグを背負って街を走る姿も報じられ、ネット上では「転落」と揶揄されることもありました。
しかし、当時の同僚や営業関係者の証言からは、異なる側面が浮かび上がります。
「元芸人で舞台の演出家ですから、対人コミュニケーションの勘所は抜群でした。見知らぬ家庭のインターホンを押して警戒を解き、話をじっくり聞く姿勢は真面目そのもの。過去の栄光を振りかざすこともなく、営業成績は決して悪くなかったと聞いています」(住宅設備営業関係者)
泥臭い営業現場で生活基盤を支えながら迎えた2022年、一家は妻・上原多香子の故郷である沖縄県へ生活拠点を移します。上原が美容ブランド「REVI(ルヴィ)」の代理店ビジネスや化粧品販売に参入したことも移住の契機となりました。自然豊かな沖縄での子育てと、東京の喧騒から離れた再スタートを目指した移住でしたが、生活の拠点を移したことで、コウカズヤの働き方も「都内での泥臭い訪問販売」から「リモート営業代行および地方での制作サポート」へとシフトしていきました。