花巻のグルメシーンを攻略する上で絶対に無視できないのが、都市構造と交通インフラのリアルです。新幹線が発着する「新花巻駅」と、在来線やバスターミナルが集約する「花巻駅」は約8キロ(車で約15分)離れており、新花巻駅前には飲食店が極めて少ないという地理的トラップが存在します。そのため、ランチの主戦場は「花巻駅周辺」か「国道4号線・県道沿いのロードサイド」の二者択一になります。
電車移動の旅行者にとって頼みの綱となる花巻駅周辺ランチですが、駅前商店街は徒歩圏内に名店が凝縮しています。宮沢賢治が足繁く通い、当時としてはハイカラだった「天ぷらそばと三ツ矢サイダー」を注文していた逸話で名高いわんこそばやぶ屋花巻総本店は、駅から徒歩約10分。名物のわんこそばだけでなく、手打ちの二八蕎麦や丼ものも充実しており、平日昼なら比較的スムーズに入店可能です。
一方、レンタカーや自家用車で動くトラベラーにとって決定的な条件が花巻ランチ駐車場ありという要素です。花巻は典型的な車社会であり、郊外の名店はほぼ例外なく10〜20台規模の無料専用駐車場を完備しています。花巻空港周辺や東北自動車道・花巻南IC付近には、ロードサイドから一本入った住宅街にひっそりと佇む花巻洋食隠れ家や個室完備の割烹があり、これらこそが観光バスの団体客が決して立ち寄らない本物の穴場となっています。