吉高由里子がエンターテインメントの世界へ足を踏み入れたきっかけは、高校1年生の時に原宿の竹下通りで受けたスカウトでした。当時は芸能界に対して強い執着を持っていたわけではなく、ごく普通の高校生活を送る一人の少女に過ぎませんでした。しかし、当時の彼女を知る関係者の証言によると、メイクを施さないすっぴん美少女時代の段階で、街行く人々が思わず振り返るほどの白磁の肌と、どこか気だるげで神秘的な猫目を兼ね備えていたと伝えられています。
本格的なスクリーンデビューを飾ったのは、2006年公開の園子温監督による映画『紀子の食卓』でした。閉塞感を抱えた家庭から家出し、架空の家族レンタル業に身を投じていく妹・ヨシコ役をオーディションで勝ち取った吉高由里子は、演技未経験に近い状態でありながら、見る者を圧倒する虚無感と無垢さをスクリーンに焼き付けました。
当時の若い頃の画像やメイキング映像を振り返ると、過剰な装飾を削ぎ落とした素朴な黒髪ボブスタイルでありながら、レンズ越しに放たれる視線の強さが際立っています。この演技が高く評価され、彼女は第28回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。映画関係者の間で「とてつもない原石が現れた」と一躍注目を集めることになりました。