テレビ局の編成部や大手キャスティング会社には、公式には存在しないとされるものの、関係者の間では暗黙の了解として共有されている「共演NGリスト」が存在します。小栗旬と矢口真里は、このリストの「最上位ブロック」に長年指定され続けてきました。
二人が共演できない理由は、単に「昔付き合っていた元恋人同士だから気まずい」という感傷的なレベルではありません。そこには大手芸能事務所同士の力学、スポンサーへの配慮、そしてタレントのブランディング戦略という、冷徹なビジネス上の壁が存在します。
第一に、小栗旬が背負う看板の重みです。小栗は2012年にモデル・女優の山田優と結婚し、現在は4人の子を持つ父親であり、家庭人としての落ち着きと誠実なイメージを兼ね備えたトップ俳優です。さらに2023年からは、田中圭、綾野剛、坂口健太郎、木村文乃らを擁する大手プロダクション「トライストーン・エンタテイメント」の代表取締役社長に就任しました。一人の演者にとどまらず、会社の経営責任者となった小栗のパブリックイメージを傷つけるような、過去のスキャンダルを想起させるキャスティングは、事務所サイドが100%拒絶します。
第二に、テレビ局側の過度な「忖度」です。民放キー局のドラマプロデューサーやバラエティの総合演出は、キャスティング会議の段階でトラブルの種を徹底的に排除します。矢口真里がゲスト候補に挙がった番組に小栗旬が映画の番宣で出演することはあり得ず、その逆もまた然りです。仮にプロデューサーが話題性を狙ってオファーを出したとしても、双方のマネジメント担当者が台本を開く前に門前払いするのが芸能界の鉄則となっています。
2026年現在の視点から見ても、この強固な防壁が崩れる可能性は「0%」と断言して差し支えありません。二人は互いに過去の愛憎を通り越し、それぞれの人生を全うしていますが、ビジネスとしての芸能界がそれを許さない構造になっているのです。