家庭で初めて魚醤を作るなら、脂肪分が多すぎず酵素活性の強いカタクチイワシ(シコイワシ)が最適です。手に入らない場合は、マイワシや小アジ、キビナゴでも同様に作ることができます。
【用意する材料・道具】
- 新鮮なカタクチイワシ:500g(目が澄んで身に張りがある刺身用鮮度のもの)
- 粗塩(天然塩):110g〜125g(魚の重量に対して22%〜25%)
- お好みで米麹(生または乾燥):50g(魚の重量の約10%/分解促進と香りづけ用)
- 煮沸消毒またはアルコール消毒済みの密閉ガラス瓶(容量1L〜1.5L)
- 竹串、または清潔なスプーン
【失敗しない仕込みの4ステップ】
ステップ1:徹底的な下処理と血抜き
流水でイワシの表面のぬめりとウロコを洗い流します。伝統製法では内臓ごと漬け込みますが、家庭で臭みを極限まで抑えるなら「頭と内臓を指で押し出して取り除き、流水で背骨沿いの血合いを竹串でかき出す」下処理を施すのが確実です。水気をペーパータオルで完全に拭き取ります。水分が残っていると塩分濃度が薄まり、腐敗のリスクが高まります。
ステップ2:塩と米麹の均一なすり込み
清潔なボウルに水気を拭いた魚を入れ、分量の粗塩の8割と米麹を投入します。魚の腹腔内まで塩が行き渡るよう、手でしっかり揉み込みます。米麹を併用することで、麹菌由来の酵素がタンパク質分解を加速させ、生成される糖分が魚特有の生臭さをマスキングしてくれます。
ステップ3:瓶詰めと「呼び塩」
消毒したガラス瓶の底に残りの塩を薄く敷き、塩をまぶした魚を隙間なく詰めていきます。空気が入る隙間を極力減らすのがコツです。最後に残った塩を残らず魚の上に被せ、表面を「塩のフタ」で覆う状態にします。
ステップ4:暗所での静置と初期管理
フタをしっかりと閉め、直射日光の当たらない常温の冷暗所(15〜25℃が理想)に置きます。仕込み後2〜3日で魚から水分(浸出液)が大量に上がり、魚体が完全に液中に没します。もし1週間経っても魚の頭が水面から出ている場合は、煮沸して冷ました25%濃度の飽和食塩水を注ぎ足し、空気に触れさせない状態を保ちます。