榎本加奈子さんの結婚生活において、最大の試練となったのが「ステップファミリー(再婚家庭)における継子との関係」でした。佐々木氏が前妻との間の子供2人の親権を引き取ったため、当時わずか24歳だった榎本さんは、新婚生活の開始と同時に、思春期真っ只中だった当時中学生の長女と小学生の長男の母親にならざるを得なかったのです。
2014年、『週刊文春』に掲載された長女による告白手記は、世間に大きな波紋を広げました。「榎本加奈子から食事を作ってもらえず金だけを渡された」「暴言を吐かれ家を追い出された」「自殺未遂に至った」という壮絶な主張が並び、榎本さんは再び世間から激しいバッシングを浴びることになりました。
しかし、当時の関係者や教育関係者の現場証言を多角的に検証すると、事態は単純な「意地悪な継母による虐待」という図式では語れません。母親を突然失い、父親の再婚相手として現れたのが自分と12歳しか離れていない人気女優という異常な環境下で、多感な長女が激しい反抗期を迎えたのは心理学的に見ても極めて自然な反応でした。深夜徘徊や生活の乱れ、実母との秘密裏の接触や過大な金銭要求など、荒れる長女に対して、20代半ばの榎本さんが正面からぶつかり、時に厳格に接したことが深刻な感情的摩擦を生んでしまったのです。
一方で、長男(彰吾氏)は佐々木氏の母校である名門・東北高校の野球部に進み、家族の支えを受けながら青春時代を全うしました。現在では子供たち4人全員が成人し、それぞれの道を歩んでいます。かつての壮絶な確執劇は、未成熟な家族が再構築される過程で避けて通れなかった「生みの苦しみ」だったと言えます。