長男の柄本佑さんと次男の柄本時生さんは、それぞれ異なるアプローチで役者道を切り拓いてきました。佑さんは繊細さと色気を併せ持つ本格派主役級俳優として、数々の映画賞を総なめにし、NHK大河ドラマをはじめとする話題作で卓越した演技力を披露しています。一方の時生さんは、一度見たら忘れられない唯一無二の存在感とリアリティある演技で、バイプレイヤーとして圧倒的な需要を誇ります。
この2人はプライベートでの仲の良さにとどまらず、2008年には演劇ユニット「ET×2」を結成。下北沢などの小劇場を中心に、兄弟2人芝居の企画・上演を定期的に行ってきました。当時の特番インタビューや自著・手記で語られた「親父の劇団(東京乾電池)の稽古場を見て育ち、演劇が生活そのものだった」という言葉通り、2人にとって芝居は特別なものではなく、呼吸と同じ次元の営みです。
ドラマや映画での兄弟共演も数多く実現しており、現場の制作スタッフからは「2人が揃うと現場の空気が締まる」「阿吽の呼吸でセリフの掛け合いの間(ま)が完璧に成立する」と極めて高い評価が寄せられています。ライバル関係でありながら互いを最も深く理解する批評家でもあるという、類いまれな関係性が築かれています。