このテキストが放つ中毒性の正体は、誰もが一度は通過する思春期の自意識過剰、いわゆる「中二病」の記号が過不足なく凝縮されている点にある。「it'a true wolrd.狂ってる?それ、誉め言葉ね。」という、スペルミスすら愛おしい決めのワンフレーズ。狂気を演じることで自らの特別さを証明しようとする思春期特有の心理が、恐ろしいほどの解像度で描写されている。
さらに批評眼を引くのが、音楽の趣味として挙げられるロックバンド「ニルヴァーナ (Nirvana)」のフロントマン、カート・コバーンへの言及だ。「尊敬する人間 カートコバーン(自殺行為はNO)」という絶妙な注釈。破滅的なグランジロッカーに傾倒しつつも、土壇場で常識的な倫理観を捨てきれない小心さ。この一文があることで、傲慢な語り手は一転して愛嬌のある等身大の少年へと着地する。中二病の滑稽さと人間味が奇跡的なバランスで同居しているのだ。