外傷や内出血とは全く異なり、皮膚そのものの色調異常や細胞増殖による「あざ」は、形成外科や皮膚科において母斑(ぼはん)または血管腫(けっかんしゅ)という診断名が用いられます。いわゆる「生まれつきのあざ」や「成長とともに現れるあざ」の正式分類です。
メラニン色素の沈着部位や深さ、色調によって分類される代表的な母斑の種類一覧は次の通りです。
- 青あざ(真皮メラノサイトーシス):本来は表皮にあるメラニン色素を作る細胞(メラノサイト)が、胎生期の移動異常により真皮深層に留まった病変。
- 蒙古斑(もうこはん):乳幼児の臀部や腰部に高頻度で見られる青色斑。学童期までに自然消失することが大半です。
- 異所性蒙古斑:臀部以外の四肢や体幹に生じる蒙古斑。成人後も残存することが多く、レーザー治療の対象となります。
- 太田母斑(おおたぼはん / 眼上顎部褐青色斑):顔面の片側(三叉神経第1・第2枝領域)や眼球結膜に生じる青褐色斑。思春期前後に濃くなる傾向があります。
- 茶あざ(扁平母斑・カフェオレ斑):表皮のメラニン色素が過剰に増加して生じる境界明瞭な淡褐色の色素斑。
- 黒あざ(色素性母斑 / 母斑細胞母斑):母斑細胞が皮膚内で増殖したもので、いわゆる「ほくろ」の巨大な病変も含みます。
- 赤あざ(血管腫・血管奇形):毛細血管の異常拡張や増殖による病変。
- 単純性血管腫(ポートワイン斑 / 毛細血管奇形):平坦な赤色斑で、自然消退せず加齢とともに肥厚・濃色化することがあります。
- 乳児血管腫(いちご状血管腫):生後数週間で急速に赤く盛り上がり、就学前後に自然退縮する良性腫瘍です。