愛知県小牧市野口に位置していた小牧市温水プールは、1991年の開館以来、年間数十万人が訪れるメガレジャープールでした。そんな名物施設が閉鎖に追い込まれた主たる要因は、複合的なインフラの老朽化と莫大な財政負担にあります。
最大の転換点となったのは、プールの温水熱源を供給していた隣接施設「小牧岩倉衛生組合」のごみ焼却工場の更新計画でした。施設の改修に伴って従来の余熱利用システムが利用できなくなる見込みとなり、独立した熱源設備の導入が必要不可欠となったのです。
さらに、築30年近くが経過していたプール本体の配管や空調、天井部分の構造躯体にも著しい劣化が判明しました。小牧市による詳細な耐震・劣化診断の結果、安全基準を満たした上で施設を存続・全面リニューアルするためには概算で約60億円以上もの巨額費用が必要と試算されたのです。この財政負担の大きさと将来の維持管理コストを総合的に判断した結果、市議会での議論を経て、苦渋の「廃止決定」が下されました。