旅行を計画する際、多くのユーザーが直面するのが「同じ日程・同じ部屋タイプなのにサイトごとに提示額が異なる」という謎です。この価格差の根本的な原因を解き明かすには、まずメタサーチ(横断検索サイト)とOTA(Online Travel Agent:オンライン旅行代理店)のビジネスモデルの違いを把握する必要があります。
トラベルコやトリバゴ、スカイスキャナーといったサービスは自ら旅行商品を販売しているわけではなく、無数に存在するOTAや公式サイトの価格データを瞬時に収集・比較するメタサーチです。これに対して、楽天トラベルやじゃらん、Agoda、Expediaなどは、宿泊施設や航空会社と直接または卸経由で契約を結んで販売を仲介するOTAにあたります。
ここで注目すべきはOTAの手数料の仕組みです。宿泊施設がOTAに掲載する場合、一般的に宿泊料金の約8%〜15%が仲介手数料としてプラットフォーム側に支払われます。この手数料負担を軽減するため、宿泊施設側が自社公式サイトで「ベストレート保証」を掲げて最安値を提示する動きが強まっています。一方で、一部の海外系OTAは自社が受け取るマージンを削って独自の割引原資に充てたり、為替レートの変動をリアルタイムに反映させたりすることで、公式サイトを下回る価格を打ち出すケースが存在します。
テレビCMなどでおなじみの「トリバゴの予約のカラクリ」として話題になる現象も、まさにこの多層構造から生じています。トリバゴなどの比較エンジンには、世界中のB2B宿泊卸売業者(通称ベッドバンク)を経由した特殊なルートの在庫が流れてくることがあります。これにより、国内大手では出せない破格のレートが表示される反面、客室の眺望指定が曖昧だったり、朝食条件が異なっていたり、極めて厳しいキャンセル規定が課されていたりする実態があるのです。