定価180円の飲料が、なぜ特定のルートでは3分の1以下の価格で恒常的に販売できるのでしょうか。消費者の間では「品質に問題があるのではないか」「添加物漬けなのではないか」といった疑念が散見されますが、食品工場の製造ラインや流通関係者への取材から見えてきた緑茶ペットボトル安い理由は、緻密に計算された産業構造の合理化にあります。
第一の理由は、茶葉の調達手法と時期の分散です。春に収穫される香り高い高価な「一番茶」を主原料とする大手NBの高級ラインとは異なり、格安緑茶には夏以降に収穫される「秋冬番茶(しゅうとうばんちゃ)」や、茶葉の加工工程で生じる「出物(茎や粉茶)」が巧みにブレンドされています。秋冬番茶はカテキン含有量が豊富で渋みが出やすい特性を持つため、高度な火入れ・抽出温度管理によってエグ味を抑え、すっきりとした口当たりに仕上げる技術が確立されています。
第二の要因は、パッケージと物流工程の極限までのコスト削減です。近年の格安緑茶は、ペットボトル自体の肉厚を0.1mm単位で極限まで薄型化し、樹脂使用量を大幅にカットしています。さらに、分別用のプラスチックフィルムを全廃した「ラベルレスボトル」を採用することで、印刷コストと資材費を同時に削減。大手物流プラットフォームと直結した大型無菌充填工場で24時間フル稼働生産することにより、1本当たりの製造間接費を極小化しているのです。もちろん、厚生労働省が定める食品衛生法基準をクリアしており、安さの根拠は「品質の劣化」ではなく「徹底した無駄の排除」に他なりません。