兵庫教育大学の存在価値を決定づけているのが、就職先実績における圧倒的な教員比率です。文部科学省が公表する「国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)卒業者の就職状況等」などの公式統計資料を参照すると、兵庫教育大学の教員就職率は例年70%〜80%前後という驚異的な数値を叩き出しています。
国公立大学の教員養成系学部全体を見渡すと、近年は民間企業への就職に流れる学生や、教員免許を取得しても非常勤講師止まりとなるケースが散見されます。しかし、兵庫教育大学は正規採用(公立学校教員採用選考試験の一発合格)の割合が極めて高いのが特徴です。小学校教員を中心に、中学校、特別支援学校、幼稚園まで幅広い校種で正規合格者を毎年多数輩出しています。
なぜ兵庫教育大学はこれほどまでに教採に強いのか。最大の要因は、キャンパス内で日常的に展開される「縦のつながり」にあります。兵庫教育大学は、大学院(特に教職大学院)に全国の自治体から派遣されてきた現役の小中高校教員(現職教員院生)が多数在籍しています。学部生は、現場で何年も学級担任や生徒指導を経験してきたベテラン教員や中堅教員と、演習やサークル、学内の日常会話を通じて常に接することができます。
模擬授業の組み立て方、指導案の書き方、面接で問われるリアルな教育課題への応答など、一般的な大学では教授陣から抽象的な理論として学ぶ内容を、現場の当事者から「実務の肌感覚」として直接指導してもらえる環境があります。この実践的な伝承システムが、採用試験の現場で面接官を唸らせる圧倒的な回答力へと昇華されています。