ネット上で頻繁に目にするのが「自閉症の赤ちゃんはよく寝る」「赤ちゃんが寝すぎると発達障害になる」という言説です。しかし、小児科医や児童精神科医の見解では、乳児期の睡眠時間の長さだけで発達障害(自閉スペクトラム症・ASDやADHDなど)を特定することはできません。
そもそも発達障害の兆候が乳児期に明確な形で現れることは稀であり、一般的に診断や評価が行われるのは、言葉の遅れや相互的なコミュニケーション、こだわり行動などが顕著になる1歳半〜3歳以降です。むしろ自閉スペクトラム症の特性として医学的に知られているのは、「寝つきが極端に悪い」「夜中に何度も起きて泣き叫ぶ(夜驚症様症状)」といった睡眠困難のほうが多く報告されています。
「新生児のころよく寝るおとなしい子だったが、後に障害がわかった」という個別の体験談がクローズアップされ、原因と結果が混同されてネット上で拡散されたというのが真相です。