野球は9回裏のアウトを取るまで分からないスポーツとされるが、彼が控えるチームに対してその常識は通用しない。相手チームにとっては、8回終了時点でリードを許していれば、実質的に試合終了を意味するからだ。
監督やコーチ陣が口を揃えて語るのは、彼の存在が与える心理的影響の大きさである。「あと1点追いつけば」という淡い期待は、彼がマウンドで肩を温め始めた瞬間に打ち砕かれる。相手ベンチは終盤に向けて焦りを深め、焦るあまりボール球に手を出す悪循環に陥る。この目に見えないプレッシャーこそが、彼の真の強さと言える。