物語のスケールが一気に地球規模から未知の宇宙的スケールへと拡張された暗黒大陸編。その発端は、近代5大陸(V5)の合意を無視して新大陸進出を電撃宣言したカキン帝国のホイコーロ国王と、ネテロ前会長の息子を名乗るビヨンド=ネテロの登場でした。カキン帝国がV5に加わり「V6」へと再編される裏で、20万人の一般移民を乗せた超巨大客船ブラックホエール1号が出航。しかし、その船内は単なる開拓民の移動空間ではなく、念能力を用いた血みどろのデスゲーム会場へと変貌を遂げています。
現在進行形で読者を惹きつけてやまないのが、多層構造の船内で繰り広げられる極限の頭脳戦です。第1層の最上流階層では14人の王子たちによる「守護霊獣(念獣)」を用いた王位継承戦が激化。下層階層では三大マフィア(シャ=ア、シュウ=ウ、エイ=イ一家)の抗争に幻影旅団やヒソカが介入し、クラピカは王子警護と仲間たちの「緋の眼」奪還の間で神経をすり減らしています。
作中で示された航海計画の真相も見逃せません。一般移民が目指しているのは、暗黒大陸の手前にあるメビウス湖内の無人島「人類居住可能区域(仮の新大陸)」です。カキンの国民を欺くこのフェイク航路の裏で、ビヨンドとハンター協会精鋭部隊はそこからさらに「限界線」を越え、真の暗黒大陸へと足を踏み入れる計画を極秘に進めています。最新話に至る経緯を俯瞰すると、複雑怪奇なハンターハンター暗黒大陸編の相関図は、王位継承戦という密室サスペンスと、外側に待ち受けるコズミックホラー的な暗黒大陸探索が表裏一体で結びついていることが分かります。