ススワタリが初めてスクリーンに登場したのは1988年公開の『となりのトトロ』だった。サツキとメイが引っ越してきた古びた家屋の暗がりで、二人の無邪気な好奇心に反応して逃げ惑う姿が印象的に描かれた。この段階での彼らは、あくまで野山や古い家に潜む自然現象に近い存在であった。
しかし、2001年の大ヒット作『千と千尋の神隠し』では、彼らの描き方に劇的な変化が訪れる。湯婆婆が経営する油屋のボイラー室で、釜爺の手足となって重い石炭を運ぶ労働者として登場したのだ。ここでは金平糖が大好物というチャーミングな設定が加わり、意思を持って働く社会的一員としての役割を与えられた。アニメーターの描写力によって表現された一糸乱れぬ連帯感とコミカルな動作は、作品の魅力を大きく引き立てている。