国の施策や指針においても、母乳ケアへの考え方は時代とともに大きな進化を遂げている。厚生労働省が策定した「授乳・離乳の支援ガイドライン」では、一律のスケジュール授乳や厳格な指導を改め、お母さんと赤ちゃんの個別性に寄り添った柔軟な支援を推奨している。
無理な母乳育児の強制は、お母さんの精神的な孤立や産後うつのリスクを高める原因にもなり得る。ガイドラインでは、母乳の出やすさや解剖学的な特徴には個人差があることを前提とし、精神的な安全と身体の快適さを両立させることが最優先事項とされている。
トラブルが発生した際には、指導ではなく「支援」を受ける姿勢が大切だ。行政の指針が示す通り、正しい知識と周囲のサポートを活用しながら、自分たちに合った授乳スタイルを確立していく時代に入っている。