発売50周年を超えてなお、ブランドが若々しさを保ち続けている背景には、明治公式による卓越したアテンション・エコノミー戦略があります。その象徴が、2023年に公式SNSで発信された架空のプロダクト提案から現実化した「きのこの山ワイヤレスイヤホン」のプロジェクトです。
「きのこの山が耳から生えているように見える」というビジュアルのインパクトはもちろんのこと、実機には世界144言語に対応する同時翻訳機能を搭載。2024年に応援購入サービスで限定発売されると、販売開始からわずか9分で予定台数(約3,500台)が即完売するという驚異的な記録を打ち立てました。単なるおふざけに留まらず、ハードウェアとしての実用性を担保したことで、国内外のテック系メディアや海外インフルエンサーまでもがこぞって取り上げる世界的バズを創出したのです。
既存の枠組みを自ら壊すセルフパロディ精神は、「チョコぬいじゃった!きのこの山」にも通底しています。伝統的なアイコンであるチョコを敢えて取り去り、ユーザーに「アイスに刺す」「ディップして食べる」といった二次創作の余白を与える。この消費者を巻き込むプロデュース力こそが、オールドブランド化を防ぐ最強の防腐剤として機能しています。