千葉県船橋市にある船橋市立船橋高等学校。その名門として知られる船橋市立船橋高等学校吹奏楽部でトロンボーンを担当していた浅野大義さんは、音楽を心から愛し、誰からも愛される太陽のような青年だった。しかし、彼の前にはあまりにも残酷な運命が立ちはだかる。二十歳を前にして宣告された、骨肉腫の一種である希少がん「滑膜肉腫」。映画『20歳のソウル』が描き出すのは、絶望の淵に立たされながらも決して音を奏でることを諦めなかった、青年のあまりにも濃密な生と闘病の日々だ。
主演の神尾楓珠は、単に浅野大義という実在の人物を演じるにとどまらず、彼が抱えていた生への渇望と音楽への純粋な愛を自身の肉体に憑依させた。撮影にあたり、神尾は浅野さんの遺品であるピアノに触れ、実際の手記を何度も読み返したという。病状が悪化し、体が自由に動かなくなっていく過程を演じるにあたって見せた鬼気迫る表情、そして最期まで周囲を笑顔にしようと努める優しさ。実話が持つ圧倒的な重みが、観る者の涙腺を決壊させる。