地方武将ゆえに一次史料が限られる南部景虎ですが、南部藩の編纂史料や地域に伝わる伝承には興味深い逸話が点在しています。
伝承によれば、景虎は武勇に優れるだけでなく、領民や配下の将兵に対する配慮に富んだ人物であったと伝えられます。過酷な冬の行軍や兵糧の確保に苦慮する局面でも、自ら先頭に立って困難を打開し、部下からの信望を集めました。
後世の歴史的な評価においても、自らの野心に溺れて主家を裏切ることなく、激動の領内再編を支え抜いた「実直な忠臣」としての側面が際立ちます。裏切りが日常茶飯事だった戦国乱世において、その堅実な立ち回りは一族の存続に不可欠な要素でした。