法的なグレーゾーンと消費者の期待の間で揺れているのが外食産業だ。現行法規において、対面で調理・提供されるレストランや居酒屋のメニュー、注文を受けてから詰めるテイクアウト料理は、食品表示法上のアレルギー表示義務の対象外とされている。
だが、法的な義務がないからといって放置することは致命的なリスクを招く。外食時の誤食事故によって顧客が重篤なアレルギー症状を起こせば、業務上過失傷害や民法上の損害賠償責任を問われる事例が相次いでいる。
ピクトグラムを用いたメニュー表記や、スマートフォンで原材料情報を確認できるデジタルメニューの導入など、自主的な開示がデファクトスタンダードになりつつある。店員の「ナッツ類は入っていないと思います」という曖昧な口頭回答が引き起こす事故を防ぐため、厨房とホール間のアレルゲン情報連携マニュアルの構築が急務だ。