「最初は本当に普通のファッションモデルの募集だと思っていました」
都内の大学に通う20代の女性は、1年前の出来事を静かに振り返る。InstagramのDMに届いたのは、大手アパレルブランドとのタイアップを謳うスカウト連絡だった。指定された撮影事務所へ足を運ぶと、親身な面談を経てその場で「仮契約」を提示されたという。
しかし、数回目の撮影現場で事態は急変する。突然提示されたのは当初の説明とは似てもつかない過激な撮影条件だった。「断るならこれまでの育成コストや違約金として数百万円を請求する」と高圧的な態度で迫られ、密室空間でパニックに陥った女性はサインに応じるしかなかった。
支援団体「ライトハウス」の専門相談員は、こうした相談が絶えない現状をこう指摘する。「現在の悪質スカウトは、一目でそれと分かる怪しい話を持ちかけません。何ヶ月もかけて信頼関係を築き、ターゲットの金銭的困窮や自己承認欲求を徹底的にリサーチした上で、拒絶できない状況を作り出す『マインドコントロール型』の手口が定着しています」