近年、世界の言語教育機関や評価機関も、エピソード記憶を活用した語彙定着法に強い関心を寄せている。ケンブリッジ大学の言語研究や、TOEFLを実施するETSの分析によれば、単語を独立して覚えるよりも、エピソードや意味の体系に関連付けて保持する方が、長期記憶への定着率が著しく高まるという。
現代の記憶術において推奨されるのは、五感を使ったマルチモーダル学習だ。月の名を聞いたときに、神話の情景や皇帝の威厳、あるいは季節の肌触りを頭の中で立体的にイメージする。日本の現代における英語教育でも、従来の単語帳暗記から、こうした科学的アプローチを取り入れた指導法へのシフトが急速に進んでいる。